開幕戦3試合から見えた東西の勢力図――サンダーの完成度、シクサーズの可能性と死角、ピストンズの爆発力
The Ringer NBA Show(2026年10月21日配信)でローガン・マードックがNBA開幕戦3試合を語った。
Gil's Arena(2026年10月23日配信)でギルバート・アリーナスが語った
チームセルティックスニックスシクサーズピストンズバックスヒートナゲッツサンダーブレイザーズサンズグリズリーズスパーズ
番組ギルズ・アリーナ

Gil's Arena(2026年10月23日配信)でギルバート・アリーナスがNBA開幕週の注目トピックを語った。
ダニー・グリーン、エヴァン・ターナーらとともに、シクサーズのキャブズ戦29点差逆転勝利、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーが自ら連続20得点記録を終わらせた判断、ジェイレン・ブラウンがテイタムの発言に「キャップ(嘘)」と反応した一件、ブレイザーズのデイミアン・リラード復帰戦での大勝など、約2時間半にわたって議論を展開した。
シクサーズはキャブズとのホーム開幕戦で、第1クォーターに35対18と圧倒され最大29点のビハインドを背負った。フィラデルフィアのファンはスーパーチームにブーイングを浴びせ、ハーフタイムのパフォーマーにまでブーイングが飛んだ。しかし後半に入ると一変し、シクサーズは後半だけで69対37とアウトスコアして歴史的な37点差の逆転勝利を収めた。エヴァン・ターナーは逆転の要因として、前半7アシストに対しターンオーバー14個だったボール管理が後半はターンオーバーわずか2個に改善した点を挙げた。タイリース・マクシーがチームハイの32得点6アシスト2スティールで攻守両面からカムバックを牽引し、エンビードは後半にフィールドゴール成功率50%で24得点7リバウンド、ジェイレン・ブラウンは21得点中10得点を第4クォーターで記録した。
「前半は7アシストに対してターンオーバーが14で、そこから残りの試合でターンオーバーはわずか2つに抑えたので、まずボール管理が一つのポイントでした」
— エヴァン・ターナー [12:27]
ダニー・グリーンはシクサーズの速攻力を強みに挙げ、昨季のファストブレイク得点トップ10に3人がいるチーム構成に注目した。一方で前半のハーフコートオフェンスの醜さが弱点だと指摘し、キャブズが昨季のイースタン・カンファレンス・ファイナリストとして新チーム相手に30点リードを手放したことの方が問題だと批判した。
「フィリーはすごく称えますが、これはクリーブランドの問題の方が大きいと思いますよ。東カンファレンスファイナルのチームが30点差から崩れるなんて、ちょっときつい」
— ダニー・グリーン [17:28]
キャブズは昨季ニックスに22点差を逆転されており、オフシーズンで改善する時間があったにもかかわらずシーズン2試合目で同じ過ちを繰り返した形になった。
前半のオフェンスが見苦しかった原因について、アリーナスは「ボールは一個」というナラティブに応えようとした過剰なパス回しにあると分析した。高確率のオープンショットを次々とスウィングし続ける展開が延々と続き、最初のショットを打たないまま攻撃の時間を浪費していたと指摘した。
「みんな『ボールは一個』っていうナラティブに応えようとしてるからですよ。だから過剰なパス回しになる。いや、そいつが持ってるじゃん、行けよって」
— ギルバート・アリーナス [19:20]
ダニー・グリーンはこうした全員参加型のパス回しについて、ロールプレイヤーばかりのスパーズのようなチームがやることであり、スーパースターが4人いるシクサーズには不要だと補足した。アリーナスは確率論で考えても、99%の確率でパスが通って42%のショットを打てる選手がいるなら最初に打った方が効率的で、パスを回し続けている間にディフェンスが戻ってしまうと主張した。シクサーズのスターターは後半にこの過剰パスをやめ、各自が積極的にアタックし始めたことでリズムをつかんだ。
マクシーは開幕2試合で平均30得点を記録し、ディフェンスでも好調なパフォーマンスを見せた。MVP候補になれるかという問いに対し、ダニー・グリーンはチームが勝ち続けてリーディングスコアラーを維持すれば、MVP投票で5位前後に入る可能性があると答えた。昨季ジェイレン・ブラウンがMVP投票6位だったことを引き合いに出し、全体1位シードで平均30点を維持すれば十分候補だと評価した。
「だから俺はずっと言ってるんだよ、一番速い奴のチームになるって」
— ギルバート・アリーナス [27:42]
アリーナスはマクシーのスピードがシクサーズ最大のアドバンテージだと説明した。ボールが手に渡った瞬間にディフェンスが戻る前にスコアできるため、自然とマクシーがチームの中心になると結論づけた。ダニー・グリーンもマクシーだけでなくジェイレン・ブラウンやレブロン・ジェームズもトランジションのトップ10に入っている点を挙げ、複数の速攻の武器があることでマクシー1人を止めても対処しきれないチームになると分析した。
シクサーズの初のバックトゥバック(バックス戦とピストンズ戦)を前に、エンビードのロードマネジメントが話題に上った。アリーナスはエンビードを休ませることに明確に反対した。身体を休めるとリズムや体力が失われ、復帰が難しくなるという持論を展開した。アリーナスは「休めば休むほど、戻ってくるのが大変になる」と述べ、痛みや腫れがあるなら休むべきだが、ただの予防休養で試合を休むべきではないという立場を明確にした。
「そういうものを全部失うじゃん?だから休めば休むほど、戻ってくるのが大変になるんだよ」
— ギルバート・アリーナス [44:25]
一方でダニー・グリーンはチームの視点として、シーズンを長い目で見て「今日休ませれば貯金できる」という計算をするのがコーチングスタッフの仕事だと反論した。アリーナスもチーム側の計算は理解しつつ、結局は選手の身体次第だと認めた。エンビードは直近3シーズンで約90試合しか出場しておらず、2試合連続で出場したこと自体がポジティブな兆候として受け止められた。
サンダー対ナゲッツ戦で、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーは前半フィールドゴール0/7と苦戦した。チームとしてはジェイレン・ウィリアムズが21得点、チェット・ホルムグレンが12得点17リバウンド4ブロックで活躍し、ヨキッチを19本中5本の13得点、ジャマル・マレーを11本中2本の6得点6ターンオーバーに封じてナゲッツを後半わずか36得点に抑えた。ギルジャス・アレクサンダーは第4クォーターに盛り返して17得点まで伸ばしたが、残り約2分でナゲッツがベンチメンバーを投入した時点で自ら交代を申し出、NBA記録の141試合連続20得点以上のストリークを終わらせた。
「ゲームには常にリスペクトを持って接するべきだと思うので。そうですね。神様が望むなら、また新しいストリークを始める試合がたくさんあると思うので、まあ世界の終わりじゃないですよ」
— シェイ・ギルジャス・アレクサンダー [57:54]
ダニー・グリーンはこの判断を全面的に支持し、前記録保持者ウィルト・チェンバレンを15試合上回っている以上、もう誰も追いつけないと語った。ケガをしないことと不調な夜が来ないことの両方が求められる記録の難易度を考えれば、50年は破られないと見立てた。一方でアリーナスは正反対の立場を取った。アリーナスは残り1分38秒で17得点、あと3点でよいのだから6〜7本打てる時間はあったと計算し、自分なら絶対に残ると断言した。
「みんなの気持ちなんか知らん。50年って言ったけど、みんな『残ってたかった』って言う。俺はLeBronみたいにこの数字をとにかく高くして、もう誰も気にしないレベルにしたい」
— ギルバート・アリーナス [60:27]
アリーナスは「だから俺は勝てなかったんだ。あなたは勝者だから」と自嘲しつつも、記録を守る姿勢を崩さなかった。
ダニー・グリーンはこの試合でのOKCの最大の収穫としてディフェンス力を挙げた。ケイソン・ウォレスがスティール4本、スリーポイント50%でジャマル・マレーを封じ、AJミッチェルが1番から4番までスイッチできる柔軟性を見せた。ルー・ドートやアイザイア・ジョーをデトロイトに放出したことが、逆にウォレスやミッチェルの出場機会増につながった「引き算による足し算」だと分析した。
「ルー・ドートを手放して、アイザイア・ジョーをデトロイトに出して、あいつらにとって必要な選手だったんだけど、それによってK.スマイルズやジャレッド・マケインみたいな選手が増えた出番を使えるようになった」
— ダニー・グリーン [71:23]
アリーナスはOKCの課題として、4ガード+1ビッグのラインナップにしたときにリードを失う傾向があると指摘した。チェット・ホルムグレンとアマレのダブルビッグは非常に強力で、特にウェンバンヤマやヨキッチ対策にはトリプルビッグまで使うべきだと主張した。ミネソタがKATとルディ・ゴベアのダブルビッグでヨキッチを苦しめた例を引き合いに出し、相手のガード主体のラインナップに合わせるのではなくペイントを支配する戦略を提唱した。
テイタムが自身のYouTubeチャンネルで、ジェイレン・ブラウンのトレードを知った経緯について「俺も世間と同じくらい驚いた」と語った。これに対しブラウンはシクサーズの逆転勝利直後にインスタグラムでテイタムの投稿に「Cap(嘘)」とだけコメントした。ダニー・グリーンはブラウンが「キャップ」と言ったのは、テイタムがトレードの進行を事前に知らなかったという部分に対してだろうと推測した。セルティックスはブラウンを6年間にわたってトレードの噂に晒し続けており、フランチャイズの顔であるテイタム側にフロントオフィスが何も伝えていなかったとは考えにくいという見方だった。
「俺の2番手がまるまる1年間1番手としてプレーできた。だから今、その2番手を1番手クラスの選手と交換できる、なぜなら彼が1番手みたいなプレーをしたから」
— ギルバート・アリーナス [90:36]
アリーナスはテイタムのアキレス腱負傷中にブラウンが最高のシーズンを送ったことが、セルティックスにとってトレード価値を最大化する「恩恵」になったと分析した。ブラウンのトレード価値が最高潮になったからこそヤニス獲得を狙えたが失敗し、結局ポール・ジョージとの交換に落ち着いた経緯を説明した。
アリーナスはさらに、テイタムのレガシー問題の本質はブラウンだけでなく、ドルー・ホリデー、ポルジンギス、アル・ホーフォードの3人のスターターも放出されたことにあると指摘した。イースタン・カンファレンスはフィラデルフィアにレブロン・ジェームズが加わり、バックスとヒートの連合も強化されている中で、昨季のブラウンと同じ成績をテイタムに求めるのは不公平だと擁護した。
ブレイザーズはホーム開幕戦で、アキレス腱負傷から復帰したデイミアン・リラードとグリズリーズからトレードで加入したジャ・モラントが揃ってスターターとして出場した。試合は21対0のランで始まり、第1クォーター終了時点で43対12。リラードはわずか24分で25得点、スリー6本、アシスト6本を記録し、モラントも14得点8アシスト3スティールでデビューを飾った。最大52点差の大勝だった。
「戻ってくるんだぞ。悪いけどブロ、それだけで十分だろ」
— ギルバート・アリーナス [106:32]
アリーナスは10年間ポートランドでプレーしてきたリラードが戻ってきたことの意味の大きさを強調した。プレシーズン中にモラントのベンチスタート案が報じられたことについて、アリーナスは強く反対した。アリーナスはチームで最も才能のある選手をベンチに置くのはバスケットボールの論理ではなくメディアの圧力に屈する判断だと批判し、試合当日にベンチスタートのレポートを流すこと自体を問題視した。
「試合当日にベンチスタートのレポートを流すのは本当に恥ずかしい話だよ。そいつが試合の準備をしようとしてる時に、こういうレポートを出そうとしてるわけだ」
— ギルバート・アリーナス [111:05]
ダニー・グリーンはリラードとモラントの両方がうまく機能しているように見えたと評価しつつも、サンズの状態が悪かったことを差し引いて考える必要があると補足した。第1戦だけで判断はできないが、復帰ストーリーとして良いスタートを切ったことは間違いなかった。
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