クリッパーズのメディアデー、レッデンが処分受け入れとイングラムの開幕欠場を説明
クリッパーズが2026年のメディアデー会見を開き、暫定社長のトレント・レッデンとタイロン・ルーHC、選手5人が登壇した。NBAからの処分への向き合い方、負傷者の見通し、新加入選手の役割が主な話題になった。
LA Clippersの記者会見(2026年9月28日)でトレント・レッデンが語った
LA Clippers インタビュー(2026年9月28日配信)で選手・フロントがメディアデーに登壇し、新シーズンへの意気込みを語った。
バスケットボール・オペレーション暫定社長のトレント・レッデン、タイロン・ルーHC、ダリアス・ガーランド、八村塁、ブランドン・イングラム、ブルック・ロペス、ルーキーのキートン・ウォレスがそれぞれ取材に応じ、NBAから科された処分への対応、複数選手の怪我の状況、チームの再建方針、そして若手とベテランが融合するロスターの姿を明らかにした。
レッデンは冒頭でNBAから科された処分について「重大なもの」と認めたうえで、ファンへの説明が遅れたことを謝罪した。ローレンス・フランク(社長)とスティーブ・バルマー(オーナー)が不在となる異例のシーズンに向け、暫定ガバナーのジョン・グラハムのもとで組織を運営していく方針を示した。
「私たちが直面するペナルティは重大なものですが、それに従います」
— トレント・レッデン [00:00]
レッデンはファンの痛みを「本物」と表現し、「黙っていたのではなく聞き続けていた」と強調した。80年代から暗い時代を耐えてきたクリッパーズファンの忠誠心に触れ、「競争心、粘り強さ、そのスピリット、戦う意志、私たちはまだそれを持っています」と訴えた。タイロン・ルーHCも組織への忠誠心を問われると、バルマーオーナーへの恩義を挙げて残留に迷いはなかったと断言した。
「他のどこにも行きたいとは思いませんでした。これまでも何度も言ってきたことですが、たとえ状況が厳しくなっても、ここにいたい、この組織の一員でありたいと思っていました」
— タイロン・ルー [10:49]
再建の道筋について問われたレッデンは、処分によりドラフト指名権を大量に放出してのトレード補強は不可能になったと認めつつ、来夏にはサラリーキャップのスペースが生まれること、選手育成やトレード、FA補強など複数の道を模索中であることを説明した。まだ1か月しか経っておらず「まだ考えている最中」とも述べ、具体的な方針は固まっていないことを率直に明かした。
怪我人の状況も大きな焦点となった。レッデンはブランドン・イングラムについて、5月に右かかとの手術を受けた際にアキレス腱の部分断裂も見つかり、一度の手術で処置したと明かした。完全断裂とは異なりリハビリ期間は約6か月短くなるものの、開幕には間に合わない見込みだと発表した。
「リカバリーは順調で、着実に回復してきています。もう1ヶ月以上施設に来てリハビリをしていて、少しずつコートにも出ています」
— ブランドン・イングラム [43:07]
イングラム自身はラプターズ時代にずっと痛みを抱えていたと振り返り、シーズン終盤に原因が判明して手術に踏み切ったと語った。復帰時期は「週ごとに状況を見ながら判断する」としている。一方、ダリアス・ガーランドはつま先の怪我から回復しトレーニングキャンプ初日から参加予定。ジョーダン・ミラーは夏のピックアップ中に左肩の腱板断裂で手術済みで復帰まで約5か月、ヤニック・ンジュモノン=エンガはリスフラン損傷の手術から体重も増えて順調に回復中だが開幕には間に合わない。ブラッドリー・ビールは左股関節の手術後にコートに戻り始めていたが、右膝の炎症が再発し時期未定となった。
八村塁のクリッパーズでの役割について、タイロン・ルーHCは高い期待を示した。昨シーズンの3ポイント成功率43%を評価しつつ、今季はスポットアップシューターにとどまらず、ポストアップやミッドレンジのプルアップなど得点バリエーションを広げるよう求めていくと語った。
「ルイのことはよく知っていますが、彼はプレーオフにおけるオールタイムの3ポイント成功率でトップだと思います」
— タイロン・ルー [11:56]
リバウンド面でもリーグ入り当初の強さを取り戻してほしいと注文をつけた。デンバーとのシリーズでヨキッチをガードしていた実績にも触れ、複数ポジションで起用できるサイズとディフェンスのスイッチ能力を強みに挙げた。八村自身はFA市場でクリッパーズを選んだ理由として、選手を大切にする組織文化と勝利へのこだわりを挙げ、LAに残れることも大きかったと述べた。
「ここの特徴として、選手のケアをとても丁重にしてくれるということと、とにかく勝利にこだわっているということ」
— 八村塁 [35:28]
レイカーズでは限定的な役割を求められていたのではないかと問われると、今季はフィジカルとシュート力をより全面的に発揮したいと意欲を見せた。ポストアップやリバウンドなど、レイカーズ時代より多面的な貢献を目指す考えを明かしている。
レッデンはExhibit 10契約で加入した河村勇輝について、チームが強化を目指す「ペースとテンポ」の面で評価していることを明かした。コート全体でプレッシャーをかけられる点とピック&ロールでの安定感を挙げ、Gリーグレベルでは試合の流れを変える力があると述べた。
「彼はコート全体でプレッシャーをかけられるし、ピック&ロールでも安定していますね」
— トレント・レッデン [12:48]
さらにチームカルチャーにも馴染んでいると付け加え、チームメートから愛されていること、毎朝早くから練習に取り組む姿勢を称えた。八村も河村へのアドバイスを問われ、代表チームで見せているようなプレーをそのまま出せばいいと答えた。
「いつも彼には自分のプレースタイルを貫いてほしいって言ってるんです。代表チームでやってるようなプレーとか、チームにもたらせるものを出せばいい、それが全てだって」
— 八村塁 [41:13]
ロスター枠を争うプレシーズンに向け、日本人選手2人がそれぞれの形でクリッパーズに定着しつつある。
ダリアス・ガーランドはオフシーズンの焦点を「バスケ一色だった」と語り、「一番大事なのはここに来て試合に勝つこと、それだけ」と断言した。つま先の怪我から完全に回復し、久しぶりにフルのオフシーズンを過ごせたことで本格的なトレーニングに打ち込めたと喜んだ。ルーキーのキートン・ウォレスやババたちから「ビッグブラザー」と呼ばれるようになったことに新鮮さを感じつつ、82試合の長いシーズンを乗り越えるために自信をつけさせることが大事だと語った。
「いや、マジでめちゃくちゃ嬉しいんですよね。ティックトックの話とかしてると自分が老けた気がしてくるんですけど、キートンにとにかく自信をつけさせようとしています」
— ダリアス・ガーランド [22:13]
イングラムとのピック&ロールにも大きな期待を寄せ、「ナンバーワンのオプションになり得る」と表現した。イングラムのミッドレンジへのアプローチについて、ケビン・デュラント(KD)を連想させるフットワークとポンプフェイクを称賛した。
「ミッドレンジへの入り方が本当に上手くて、3つのエリアすべてで点が取れるんだけど、ミッドレンジへのアプローチがちょっと誰かを思い出させるんですよね」
— ダリアス・ガーランド [26:08]
また、トレードで加入したマックス・ストゥルースについて「8年のリーグ生活でたぶん一番好きなチームメート」と語り、初日からジムで率先してトレーニングする姿がチーム全体の競争心に火をつけたと明かした。
イングラムは今季のクリッパーズに対する外部の期待値が低いことを認めつつも、チーム内には十分な力があると主張した。トレードが正式に成立するまでの異例の長さにも触れ、「たぶんトレードが成立するまでこんなに時間がかかったのは史上最長じゃないか」と振り返った。
「今年は自分たちへの期待値が低い、もしくはほぼないくらいだと思う。でも、このメンバーで十分戦える力はあります」
— ブランドン・イングラム [49:35]
タイロン・ルーHCへの信頼も強調し、ルーHCから学べることは全部吸収したいと語った。オフェンス面ではルーHCのビジョンに適応しながら「コート上でオールラウンドにプレーできることが持ち味」と自負を見せている。ブルック・ロペスも同様にアンダードッグ精神について問われ、「チャンピオンシップを獲ることが最終目標」と述べたうえで、ペイントでのポストアップやロースコアリングにより重点を置く意向を示した。
ドラフト5位指名のキートン・ウォレスは、レイバーデー翌日から毎日ジムに通い、週4回のウエイトトレーニングで体重と筋力を増やしたと報告した。ディフェンスのスキーム習得とピック&ロールの練習に集中してきたと語り、イリノイ大学時代はポップするビッグマンとのプレーが主だったが、NBAではオフェンスの流れが異なるため適応に取り組んでいると説明した。
「体重も増えて筋肉もついてきました。夏の間はめちゃくちゃ筋トレしてましたし、ストレングスコーチたちが週4回のすごくいいプランを組んでくれて」
— キートン・ウォレス [60:17]
夏にはPlayers Unitedでのピックアップランにも参加し、KD、ジェイデン・マクダニエルズ、ナズ・リード、エバン・モブリーらエリート選手と対戦した経験を振り返った。「あんな選手たちが来るとは知らなかった」と驚きつつ、エリートディフェンダー相手にさまざまな得点パターンを試せたことが大きかったと手応えを語った。ルーHCもウォレスについて「ミスをして、そこから成長できるチャンスをたくさん与えていく」と育成方針を示しており、19歳のルーキーに多くの経験を積ませる姿勢を明確にしている。
処分、怪我、主力の入れ替わりと逆風が重なるクリッパーズだが、メディアデーでは選手・フロントがそれぞれの立場から「今いるメンバーで戦う」という意志を繰り返し表明した。ガーランドやイングラムが語ったアンダードッグ精神と、ウォレスや八村、河村ら新戦力の合流が、新シーズンにどう結実するかが注目される。
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