2026年10月17日(土) / 海外一次情報を日本語で、毎朝更新

評論独自整理NBA

ESPN記者陣と海外ポッドキャストの見立て

開幕前の識者予想、MVPはウェンバンヤマ・エドワーズ・ハリバートンに割れた

記事化
/ 13日前

チームスパーズサンダーペイサーズニックスヒートウィザーズレイカーズシクサーズティンバーウルブズキングス

2026-27シーズンの開幕を前に、ESPN記者陣と海外ポッドキャストの出演者が示した予想を並べた。MVPは3人に割れ、優勝はサンダーとスパーズに分かれ、ペイサーズの勝利数は44勝と61勝で大きく食い違った。

2026-27シーズンの開幕を前に、ESPNの記者陣が投票で出した予想と、海外ポッドキャスト4番組の出演者が語った予想を並べた。MVP、優勝、チームの勝利数、個人賞のそれぞれで、両者の見立てがどこで重なり、どこで割れたかを、挙げられた理由とあわせて見ていく。

比べたのはESPN記者陣の投票と、4番組での発言

1つ目の材料は、ESPNが2026年8月24〜26日に3本に分けて公開した「NBA Summer Forecast 2026-27」である。記者、編集者、アナリストで構成するESPNの予想パネルが、全30チームの順位と勝敗、優勝チーム、個人賞を予想した。優勝と個人賞はポイント制で、1位票に5ポイント、2位票に3ポイント、3位票に1ポイントが入る。パネルの人数は記事に書かれていない。

2つ目の材料は、海外のポッドキャスト4番組で出演者が口にした予想である。

  • Gil’s Arena: ギルバート・アリーナスがホストを務める番組。本編は2時間半から3時間のライブ配信としてYouTubeで流れる。
  • The Ringer NBA Show: The Ringerの番組。Real OnesやGroup Chatといったコーナーごとに出演者が入れ替わる。
  • The Zach Lowe Show: The Ringerでザック・ロウがホストを務める番組。週2回、90〜120分の本編を配信している。
  • NBA Today: ESPNのテレビ番組の音声版で、マリカ・アンドリュースが司会を務める。パネリストは日替わりで入れ替わる。

この記事は、ESPN記者陣が投票で決めた予想と、番組で出演者が語った予想を並べて比べるものだ。番組の予想は出演者が個人として口にしたもので、投票の集計ではない。発言者の名前を確かめられなかった発言は「番組名の出演者」と書いた。

MVP予想はウェンバンヤマ、エドワーズ、ハリバートンの3人に分かれた

ビクター・ウェンバンヤマの似顔絵

ビクター・ウェンバンヤマ

スパーズ

予想した人ESPN記者陣

アンソニー・エドワーズの似顔絵

アンソニー・エドワーズ

ティンバーウルブズ

予想した人NBA Todayの出演者

タイリース・ハリバートンの似顔絵

タイリース・ハリバートン

ペイサーズ

予想した人ジェイソン・コンセプシオンの似顔絵ジェイソン・コンセプシオン

ESPN記者陣のMVP投票で1位になったのは、スパーズのビクター・ウェンバンヤマで、102ポイントを集めた。2位のニコラ・ヨキッチ(31ポイント)を大きく引き離している。解説を書いたマイケル・C・ライトは、昨季のMVP投票で上位だった2人よりも、ウェンバンヤマがチームをプレーオフの先まで導いた点を挙げた。

“San Antonio’s run to the NBA Finals last season clearly gives Wembanyama the upper hand” (昨季スパーズがNBAファイナルまで勝ち進んだことで、ウェンバンヤマが明らかに優位に立った) — マイケル・C・ライト(ESPN)

NBA Today(2026年9月24日配信)では、出演者の一人が「今季最もプレッシャーがかかる選手」を5位から順に発表するコーナーで、1位にティンバーウルブズのアンソニー・エドワーズを挙げ、その流れでMVPを予想した。

“I believe he’s going to win MVP” (エドワーズがMVPを取ると思う) — NBA Today の出演者 [43:14]

この出演者は、2年前にコートを共にしたカール・アンソニー・タウンズが優勝したこと、昨季はケガでオールNBAから漏れたこと、今季は本物のポイントガードが隣にいることを挙げた。そのうえで、今季頂点にたどり着けなければ、オフにチームとの関係がどうなるか分からないとも語った。

もう一人の名前を挙げたのは、The Ringer NBA Show(2026年9月24日配信)のジェイソン・コンセプシオンだった。チームごとに大胆な予想を出し合う回で、ペイサーズのタイリース・ハリバートンを推した。

“Luka will average 35 but lose the MVP to Tyrese” (ルカは平均35点を挙げるが、MVPはタイリースに持っていかれる) — ジェイソン・コンセプシオン [81:32]

コンセプシオンは、ハリバートンが故障なく戻ればチームの連係がかみ合うと見ている。ほかの出演者からは、ハリバートンはMVP投票で1票も得たことがない、MVPには派手な数字が要るという反論が出た。

ESPNの記者投票、NBA Todayの出演者、コンセプシオンの3者が別々の選手を挙げており、MVPは1人しか選ばれないため、3つの予想は両立しない。

優勝予想はサンダーとスパーズに分かれた

ESPN記者陣の優勝予想はサンダーで、84ポイントで1位になった。2位のスパーズも74ポイントを集めている。ESPNの記事は、昨季の西の決勝でスパーズが第7戦を制したことに触れつつ、ジェイレン・ウィリアムズとエイジェイ・ミッチェルを欠いて戦ったサンダーを今季はわずかに有利と見た。一方、予想勝利数ではスパーズの62勝が全30チームで最も多く、サンダーの60勝を上回る。レギュラーシーズンはスパーズが上、頂点に立つのはサンダーという見立てである。

The Ringer NBA Show(9月24日配信)の出演者は、スパーズの優勝を言い切った。

“They’re going to win it all this season. This is their year.” (今季は全部勝ち取る。今年はスパーズの年になる) — The Ringer NBA Show の出演者 [105:41]

根拠にしたのは、ニックスに1勝4敗で敗れた昨季のファイナルの中身だった。

“In the four games that they lost, they had a lead in every single one of them.” (負けた4試合は、どれもスパーズがリードしていた) — The Ringer NBA Show の出演者 [105:41]

4試合とも残り2分で勝負が決まり、ウェンバンヤマのフリースローの失敗や疲れも響いた。この出演者は、次は準備ができている、ディラン・ハーパーはスターになると続け、トバイアス・ハリスを加えて主力が誰も抜けていない点も挙げた。コンセプシオンは「リードしても負けは負けだ」と返しつつ、あの敗戦がスパーズをさらに強くするという点には同意した。

NBA Today(9月24日配信)の出演者は、サンダーがウエスタン・カンファレンスでトップ3シードに入ると予想した。番組では、費用を抑えるためにロッカールームで慕われていた3人を手放したサンダーの夏が話題になった。この出演者は、ジェイレン・ウィリアムズが健康を保てるか、昨季のプレーオフでウェンバンヤマに苦しんだチェット・ホルムグレンが立ち直れるかに注目しつつ、上位3シードは揺るがないと語った。ESPNの予想勝利数でもサンダーは西で2番目に多く、この点では両者の見方が重なる。

ニックス、ヒート、ウィザーズは番組の予想がESPNより強気だった

同じチームに複数の予想が付いたところでは、番組の出演者の数字がESPNを上回る例が目立った。Gil’s Arenaには、予測市場Polymarketに出ている勝利数の基準を上回るかどうかを出演者が答えるコーナーがあり、ここで挙げる数字の多くはそこで出た。

ニックスについて、ESPNは53勝で東1位と予想した(ピストンズも同じ53勝)。ESPNの記事は、王者ニックスがミッチェル・ロビンソンを除く主力を全員残した点を挙げている。Gil’s Arena(2026年9月17日配信)では、昨季53勝29敗で東3位だったニックスに52勝の基準が示され、出演者の一人が55勝で東トップ3と答えた。差は2勝で、番組の方がやや強気に見ている。

ヒートはESPNの予想が47勝で、Gil’s Arena(9月18日配信)の出演者は50勝とした。昨季43勝39敗で東10位だったヒートに47勝の基準が示された場面で、この出演者はバム・アデバヨ、ヤニス・アデトクンボ、クレイ・トンプソンらの名前を挙げた。アデトクンボは昨季36試合しか出ておらず休養は十分で、新天地で結果を示す動機もある、というのが50勝の理由だった。ほかの出演者からは、47勝に届かないとする答えも出た。9月17日配信の同番組では、別の出演者が東5シードと予想している。ESPNの予想勝利数を並べると、ヒートは東で7番目になる。

ウィザーズは差がさらに開いた。ESPNの31勝に対し、Gil’s Arena(9月23日配信)の出演者は「少なくとも34勝」とした。昨季の17勝65敗から勝ち星を倍にするという見立てである。トレイ・ヤング、AJ・ディバンツァ、アレックス・サーの名前を挙げ、ケガの多いアンソニー・デイビスは50試合ほどの出場を見込んで数えたと説明した。同じ回の後半では36勝の基準が示され、出演者からは36勝という答えが出た。デイビスは契約の年なので55試合は出る、というのがその理由だった。ESPNとの差は最大で5勝になる。

レイカーズ、76ers、ティンバーウルブズ、ホークスも見方が違った

レイカーズはESPNの45勝に対し、The Ringer NBA Show(9月11日配信)の出演者が「少なくとも47勝」と予想した。ドンチッチがいるだけで47〜48勝は下回らず、全員が健康なら50勝台前半から半ばまで伸びるという見立てだった。ただ、シュートと守備が足りるか、ウォーカー・ケスラーが健康を保てるかには疑問を残し、万全のスパーズやサンダーを倒せるかには「たぶん無理だ」と語った。ESPNの記事は、ドンチッチがチームを6位以内に導けるかを課題に挙げている。

76ersはESPNの予想勝利数で東4番目の50勝だが、Gil’s Arena(9月15日配信)の出演者は東トップ3に入ると見た。番組では、レブロン・ジェームズが2年800万ドルで加わり、ジョエル・エンビード、タイリース・マクシー、ジェイレン・ブラウンと柱が4人そろったことが紹介された。この出演者は、レブロンやエンビードを65試合も出さず、4〜5月に全員がそろっていればよいと語った。

ティンバーウルブズもESPNでは西5番目の50勝で、Gil’s Arena(9月17日配信)の出演者は西3位と予想した。ラメロ・ボールの加入とジョナサン・クミンガとの契約で試合のテンポが上がり、守備の姿勢も失っていないとして、オフの補強はリーグで一番だと評した。ほかの出演者は、ジュリアス・ランドルとナズ・リードが抜けたフロントコートを不安材料に挙げた。ESPNの記事も、ボールがなじめば上位争いに加わりうると書いている。

ホークスはESPNが47勝、Gil’s Arena(9月25日配信)の出演者はプレーオフ1回戦敗退と予想している。視聴者の質問に答えた場面で、クミンガが抜けてルゲンツ・ドートが加わったことに触れ、プレーオフには出るが昨季と同じく1回戦で負けると語った。

大胆な予想はペイサーズ61勝とサボニスのトレード

最も大きく割れたのはペイサーズだった。ESPNの予想は44勝で、東では9番目にとどまる。ESPNの記事は、アキレス腱断裂で昨季を全休したハリバートンの復帰を追い風に挙げつつ、この順位に置いた。これに対し、ハリバートンのMVPを予想したコンセプシオンは、チームの勝利数も61勝と見積もった。MVPを取るには60勝前後で東の最高成績が要る、という反論に答えた発言である。

“win like 61 games and he will win the MVP” (61勝くらいして、ハリバートンがMVPを取る) — ジェイソン・コンセプシオン [31:43]

続けて別の出演者が、ペイサーズは話題にされなさすぎだと語った。1年半前にファイナルまで進み、マイルズ・ターナーの抜けた穴にはイビツァ・ズバッツが入り、ほかの主力とリック・カーライル監督は残っている、という理由だった。

The Zach Lowe Show(2026年10月1日配信)の出演者は、その中間にあたる東3〜4位を予想した。ザック・ロウが東の幹部やコーチ約30人に「ニックス以外で東からファイナルに進むチーム」を聞いたアンケートで、ペイサーズを挙げた人が少なかったことを受けての発言だった。この出演者は、16カ月前にファイナル第7戦を戦ったチームにしては評価が低すぎると語った。

“I have them slotted in at three or four this season in the Eastern conference” (今季はイースタン・カンファレンスの3位か4位に入れている) — The Zach Lowe Show の出演者 [15:35]

ロウは、アキレス腱から戻るハリバートンが本来の姿になるまで20〜30試合かかるかもしれないと指摘しつつ、ズバッツとの組み合わせと先発5人には楽観的だと応じた。ESPNの44勝とコンセプシオンの61勝には17勝の開きがある。The Zach Lowe Showの出演者の見立ては、ESPNより高い。

コンセプシオンは同じ回で、キングスのドマンタス・サボニスがトレードされるとも予想した。

“Sabonis will be traded this season” (サボニスは今季トレードされる) — ジェイソン・コンセプシオン [90:26]

キングスはこのトレードで問題がすべて片付くと考えるだろうが、そうはならない、とも付け加えた。トレードがあると見る根拠は話していない。ESPNはキングスの勝利数を19勝と予想しており、全30チームで2番目に少ない。2027年のトレード期限は2月4日で、それまでにサボニスが動くかどうかが焦点になる。

シックスマン賞と最優秀コーチ賞はESPNと番組で予想が食い違った

ESPN記者陣の投票では、最優秀守備選手賞の1位がウェンバンヤマ(108ポイント)で、MVPとの2冠を予想された。ほかの賞の1位は、新人王がキャメロン・ブーザー(61ポイント)、シックスマン賞がサンダーのアレックス・カルーソ(34ポイント)、MIPがスパーズのステフォン・キャッスル(34ポイント)、最優秀コーチ賞がペイサーズのリック・カーライル(33ポイント)だった。

番組の予想と食い違ったのは2つの賞である。シックスマン賞では、The Ringer NBA Show(9月4日配信)の出演者がスパーズのディラン・ハーパーを挙げた。西の勢力図でスパーズを1位に置いた流れでの発言で、クリスマスまでに先発に入ってもおかしくないとしながら、ファイナルの大舞台でも臆さなかった点を評価した。ESPNの投票でもハーパーは23ポイントで2位に入り、解説のヴィンセント・グッドウィルも、新人ながらファイナルの舞台に気後れしなかった数少ない選手だと書いている。

最優秀コーチ賞では、The Zach Lowe Show(9月24日配信)でザック・ロウ本人が、ラプターズのダルコ・ラヤコビッチを受賞者に予想した。先に答えたゲストのハワード・ベックも1位はラヤコビッチで、この賞は期待を上回ったチームの監督に贈られることが多く、ほぼ46勝以上が条件になると説明した。ロウは、ラプターズが勝ってもカワイ・レナード加入の効果と見られかねない点を弱みに挙げつつ、52勝ほどすれば監督も評価されると語った。ESPNの投票ではラヤコビッチは上位3人に入っておらず、ESPNのジャマル・コリアーはカーライルについて、ハリバートンを欠いた昨季の苦しいシーズンを乗り切った点を挙げている。

賞の予想ではもう一つ、Gil’s Arena(9月15日配信)の出演者がドンチッチのオールNBAファーストチーム入りを予想した。番組では、ドンチッチがキャリアでも指折りの体調にあると報じられていること、昨季は平均34得点8リバウンド8アシストでオールNBAファーストチームに入ったことが紹介された。

“luca’s going to be first team all nba you can book it” (ルカはオールNBAファーストチームに入る。間違いない) — Gil’s Arena の出演者 [55:48]

この出演者は、体が絞れていない時期でもチームを引っ張っていたと語り、MVPに届くかはレイカーズの勝ち星しだいだと付け加えた。ESPNの投票では、ドンチッチはMVPの3位に入っている。

ESPN記者陣の予想勝利数(全30チーム)

ESPNの予想勝利数を、カンファレンスごとにESPNの記事の掲載順で残しておく。

東はニックス53勝、ピストンズ53勝、キャバリアーズ51勝、76ers50勝、セルティックス48勝、ホークス47勝、ヒート47勝、ラプターズ45勝、ペイサーズ44勝、マジック44勝、ホーネッツ34勝、ウィザーズ31勝、ブルズ31勝、バックス25勝、ネッツ18勝となっている。

西はスパーズ62勝、サンダー60勝、ナゲッツ51勝、ロケッツ51勝、ティンバーウルブズ50勝、レイカーズ45勝、トレイルブレイザーズ43勝、サンズ42勝、ウォリアーズ35勝、ジャズ34勝、クリッパーズ33勝、マーベリックス32勝、グリズリーズ27勝、ペリカンズ25勝、キングス19勝となっている。

シーズンが進んだら、この予想を振り返る

開幕は10月下旬で、勝利数の予想はシーズン序盤から途中経過を追える。シーズンが進んだら、ここに並べた予想がどうなったかをこのサイトで振り返る。