The Ringer NBA Show パワーランキング Part 5――10位から6位に並んだ5チームの現在地
The Ringer NBA Show(2026年10月14日配信)でプレシーズン・パワーランキングの10位から6位が語られた。
ジャズのインタビュー(2026年9月29日)でエリック・スピロプロスが語った
Roundball Roundup(2026年9月29日配信)でジャズのメディアデーが総括された。
GMのオースティン・エインジとHCのウィル・ハーディが口を揃えたのは「今年は完全に新しいグループ」という前提で、ベガスの勝利数オーバー/アンダーは36.5勝。新ロッタリー制度でリーグ全体のパリティが進む中、序盤は実験期間と位置づけ、1月から3月にかけてチームをまとめる構想が語られた。
エインジはシーズンの目標を聞かれ「プロセス重視」と答えた。毎晩競争できているか、チームとしてプレーできているか、細かいことを積み重ねられているか。J.P.チョンがベガスのオーバー/アンダーを調べると36.5勝で、ネット上のファンが期待する数字とはかなり開きがある。ただし今季は新しいロッタリー制度により全チームが勝ちに行く構造に変わり、大差の試合が減ってオフェンシブレーティングが下がると予想されている。
「毎晩戦えているか、チームとして一緒にプレーしてるか、細かいことをやり切れているか、という視点ですね」
— エリック・スピロプロス [00:49]
NBAのパリティ時代はジャズのようなチームには追い風だが、同時に順位を上げること自体が難しくなる。エリックは「今年は40勝という数字の意味が例年より大きくなる」と指摘し、センターのローテーション、ルーキーの統合、マルカネンとジャクソンJr.のコンビなど解決すべき課題の多さを並べた。ハーディもエインジも序盤は実験期間と明言しており、開幕からチームがまとまることを期待するのは現実的ではないという認識で一致していた。
「すべては1月、2月、3月、そしてシーズン終盤にチームとしてまとまるという目標に向けてです」
— エリック・スピロプロス [00:49]
エインジがチーム構築の鍵として挙げたのは「バーサタビリティ」だった。ビッグラインナップもスモールラインナップも、速い展開も遅い展開もこなせなければならない。ヌルキッチを擁するジャズ独自のサイズを武器にしつつ、ポゼッションごとにスタイルを使い分ける構想を語った。
ハーディはスターターの概念そのものを問い直している。「48分トータルで考える」と言い、スターターが5分半プレーしたら入れ替えるという流動的な起用を示唆した。1月や2月には開幕時とまったく違うスターターになる可能性もあり、コンディションや調子、マッチアップ次第で組み合わせは変わり続ける。オフェンス面ではオフボールアクション中心を継続しつつ、キーオンテ・ジョージとイザイア・コリアーのピック&ロールの成長を取り入れる意向で、ゾーンディフェンスの導入にも躊躇がない姿勢をハーディは見せた。
「改善が見られればより多く取り入れていけると」
— エリック・スピロプロス [05:17]
エリックはスターターよりもクロージングラインナップのほうがはるかに面白いと述べ、今季は10通りから20通りのクロージングラインナップが出てくる可能性があると予想した。ディフェンスは昨季リーグ29位だった改善が必須で、内部成長と2人のジョシュら新加入選手の両面から取り組むことになる。
「統合しなければならないピースもスキームもたくさんあります」
— エリック・スピロプロス [05:17]
ウォーカー・ケスラーがレイカーズへ移籍し、センターの層をどう構成するかがメディアデー最大の関心事のひとつだった。現在のセンター陣はヌルキッチ、ジャクソン・ヘイズ、モー・バンバ、カイル・フィリポウスキーの4人体制で、フィリポウスキー本人が「委員会方式」と表現した。
フィリポウスキーはオフシーズンにヘルニアの手術を受けたが、100%のコンディションでトレーニングキャンプに臨めると語り、むしろ以前より状態がいいとまで言った。各センターの特徴についてフィリポウスキー自身が整理しており、ヌルキッチはプレーメイクとディフェンシブリバウンド、ヘイズはロブキャッチのアスレティシズム、バンバはシュート力とディフェンシブアンカーとしての経験を持つ。
「ジャクソン・ヘイズはロブパスに飛び込んでいくアスレティシズムをコートにもたらすと話していました」
— エリック・スピロプロス [09:56]
さらにジャレン・ジャクソンJr.をスモールボールの5番に置く選択肢もあり、マッチアップベースの起用が基本になる。エリックはヌルキッチが昨季この若いチームにとって「安定感をもたらす存在」だったことを強調し、エインジも復帰を最優先事項に挙げていたと紹介した。
「ユスフ・ヌルキッチは昨シーズン、このチームにとって本当に安定感をもたらす存在だったわけで、このチームはまだ若い」
— エリック・スピロプロス [11:00]
ルーキーのダリン・ピーターソンがメディアデーで最も話題を集めた選手だった。モー・バンバはピーターソンをカワイ・レナードに比較し「サイレント・バケットゲッター」と表現、ヌルキッチはデイミアン・リラードの3Pシュートに例えた。J.P.チョンはこの称賛がベテランや若手だけでなく、ハーディやエインジを含む全方面から来ていた点に注目した。
「成熟度という言葉が今日のダリン・ピーターソンに関する話の中で、いろんな選手から5回か6回か7回は出てきたと思う」
— エリック・スピロプロス [15:03]
ピーターソン自身はサマーリーグでのシュート成績を聞かれる前に自分から持ち出し、フィルムを見直していたと明かした。フィジカルの課題も認識しており、記録に残らないエキシビションの成績にも自ら向き合う姿勢が高く評価されている。エリックはこの「自己認識」がルーキーとしては異例だと指摘し、キャリアの様々な段階で自己認識に苦労する選手が多いリーグにおいて、ピーターソンはすでにそれを持っていると語った。
「彼はそれを認識している。逃げていない。自分に正直でいる」
— エリック・スピロプロス [16:37]
イザイア・コリアーはシュート改善が今後のキャリアを左右する「スウィング要素」だと自ら認識していた。この夏は1日3回のワークアウトをこなし、「自分に正直に向き合った」と語った。コリアーがゲームに入るとジャズのオフェンスの空気が一変し、「完全に支配的なトランジションオフェンス」になるとエリックは評価する。
「イザイア・コリアーがゲームに入ると、ジャズのゲームの空気感が変わる。完全に支配的なトランジションオフェンスになって、彼のパスが多くのものを解き放つ」
— エリック・スピロプロス [17:35]
ただし課題も明確で、シュートの問題が過去にはクランチタイムでコート上に立てない原因になっていた。ハーフコートオフェンスを求められる場面でシュートが打てなければ、パスの価値も限定される。逆にシュートが改善すれば、このロスターのシューターとスコアラーの豊富さと組み合わさり、コリアーの他の特長が一気に輝き出す。エリックはこのロスターがコリアーのスキルを引き立てるのに「非常に適した構成」だと述べた。
ブライス・センサボーはルーキースケールのエクステンション対象で、契約の話題を振られると「まったく別の選手に見えるはず」と自信を見せた。2シーズン前はリーグ上位水準の42%超だった3P成功率が昨季は37%程度に落ちており、シュートとディフェンスがこの夏の最大の焦点だった。
「今まで一番ハードにやった夏だと言っていた。昨シーズンより2倍よくなった感覚があると」
— エリック・スピロプロス [20:13]
エインジはポッドキャストでもメディアデーでも繰り返しセンサボーの名前を挙げて称賛しており、エリックがメディアデーで最初に投げた質問は「何がそこまで評価される夏だったのか」だった。センサボーの自信はドラフト順位やリーグ経験からではなく、積み上げた努力から来ているとエリックは分析した。ハーディが昨季センサボーを「クロックポット(スロークッカー)」と呼んでいたのも象徴的で、火が入るまで時間はかかるが、一度沸き始めたら止まらないという期待が込められている。
「シュート力というのはNBAでコートに立つためのスキルになり得るものです」
— エリック・スピロプロス [21:16]
エインジがトレーニングキャンプで最も見たい組み合わせとして挙げたのが、ラウリ・マルカネンとジャレン・ジャクソンJr.のデュオだった。昨季の共演時間はわずか42分間。2人とも7フッターでありながらコート上の異なるエリアで機能し、互いにスペーシングを生む。エインジは「マルカネンとJJJがチームのベスト2選手」と明言した。
「ローリーたちはいわば7フィートのウイングですよ、と。特にローリーはあのサイズでリーグ屈指のシューターのひとりですから」
— エリック・スピロプロス [24:02]
エインジの発言の直後に登壇したマルカネンは「犠牲」の重要性を強調した。シュート数やカット、泥臭い仕事を含め、誰もが犠牲を払わなければチームにはなれないと語った。エリックはキーオンテ・ジョージが昨季平均約24得点を記録したが、今季は平均20得点に下がっても「より良い選手」になれる可能性があると指摘した。マルカネン、ジャクソンJr.、エース・ベイリーにも同じことが言える。今季は成長がそのまま個人スタッツに反映されるシーズンではなく、才能をどう噛み合わせ、最大化のためにどう犠牲を払うかを見るシーズンになる。
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